そけいヘルニアというと40歳以降の男性の患者様が多いのは確かなのですが、次に多いのは20歳から40歳女性です。と言うのも妊娠が原因となるからです。10キロ近くにも膨れ上がる子宮を同じ腹筋で支えるので仕方の無いことです。ですが、妊娠中は嵌頓(カントン)しない限り手術することはありません。風邪薬の服用にも慎重になる時期に、手術のストレスも赤ちゃんに良い影響を与えるとは思えません。ご家族のためにも日帰り手術をお勧めいたします。また女性は大腿ヘルニアの確認および予防の観点から、腹腔鏡下ヘルニア修復術を含む腹膜前修復法(Kugel法、TEP法、TAPP法)が望ましいといわれております。出産して体調が戻られたらお早めにご相談ください。
この記事を書いたのは…
2002年山梨医科大学卒業。2008年長野市民病院でTEP法をみて衝撃を受ける。以来、鼠径ヘルニアの理想的な治療はTEP法だと確信して手技の研鑽を積む。2017年8月の開院から全ての手術を執刀。「初診から術後経過まで、執刀した外科医が責任を持って診るべし」が信条。好きな言葉は『創意工夫』