メニュー

鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術の質を高めるもの 大型モニター編 2

[2023.10.23]

前回の大型モニターの導入の話は、いかがでしたか?

「そんなに簡単にテレビと腹腔鏡システムが繋がるのか」と、疑問に思った方もいるかもしれません。

実は、テレビのHDMI端子に繋げるために、業務用のコンバーターを使用しています。

配線は、天井を回していますので、ケーブルは長いものが必要になります。

このコンバーターと長いケーブルの選択が、純正品以外のモニターの導入のポイントになってきますので、一つ一つ確認していきましょう。

 

現在、使用している VISERA 4K UHD のカタログスペック(上の写真)は、

解像度4K(4096x2160)、フレームレート59.94fps、ビット深度10bit 4:2:2、色域BT.2020、輝度SDRです。

このスペックをしっかりとカバーできる変換器が必要になります。

特に、解像度が4Kで、かつフレームレート59.94fpsとビット深度10bit 4:2:2をクリアできる製品は限られてしまうため、業務用の変換器を使用します。

この変換器がしっかり対応していないと、画像が映らなかったり、映像が正確に変換できなくなる可能性がでてきます。

 

VISERA 4K UHD からの4K信号の出力端子は、3G-SDI x 4で出力されます。

3G-SDIケーブルとは、フルハイビジョン(1920x1080)の映像を送ることができるケーブルです。

フルハイビジョンの4倍の解像度の4Kの映像を送るには、画面を4分割して、4本の3G-SDIケーブルで出力することになります。

つまり、この 3G-SDI x4 を HDMIに変換するコンバーターが必要になるのです。

 

2021年7月にモニターと同時に導入したのが、 AJA Hi5-4K-Plus でした。

この変換器は、4K解像度はもちろんのこと、フレームレート、ビット深度、色域、さらにHDRの輝度にまで対応しております。

遅延なく、HDMIに変換された画像は、肉眼上での画像の劣化や変化を認めず、無事に大画面に映し出されました。

 

しかし、ここで一つ問題が・・・。

 

実は、テストでは2m程度の短いHDMIケーブルだったのです。なるべく配線は天井を回すようにしているため、壁掛けモニターから天井を回して、さらに本体プロセッサー部分までは、少なく見ても10m近いケーブルが必要になります。しかしながら、通常のHDMIケーブルは、映像が劣化するおそれがあるため、5mまでのものがほとんどになります。

 

そこで導入したのが、8Kまで対応可能な、光ファイバー製のHDMIケーブルでした。

光ファイバー製のため、入力と出力が規定された一方向性のケーブルで、かつ光信号に変換するために、光ケーブル自体にUSBで給電する必要性がありました。USBで給電すると、問題なく映像が映し出されました。

この光ケーブルなのですが、2021年7月の時点では、日本での取り扱いが少なかったため、アメリカのamazon.comで取り寄せました。

現在は、日本のamazon.co.jpでも取り扱いがあるようです。

こうして無事にサブモニターを導入できたのが、2021年7月になります。

現在、2年ほど経過し、何の問題もなく映像が映し出されています。

 

が、しかし・・・

 

新たな課題が突き付けられます。

 

2023年7月にOlympusの新機種 VISERA ELITE 3 のデモを行いましたが、その時に、新たな課題が浮き彫りになりました。(下の写真)

新機種の導入を試みると、それに合わせたセットアップが必要になるものですね。なかなか一筋縄ではいきません。

 

その課題を克服するべく、先週の金曜日の10/20から1週間、VISERA ELITE 3 のデモ器をお借りし、2度目のデモを行っています。課題が克服できなければ、この新機種の導入はありえません。

 

この新たな課題への取り組みは、次の機会で、お話しします。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME