この度、お陰様を持ちまして当院は7周年を迎えました。
この7年間、毎日のように手術ビデオやCTを見ながら手術のシミュレーションをして、実際の手術を行いました。手術後は録画したビデオを確認して振り返りを行う、という日々が7年間、3400件近く続いています。私どもにとって、ヘルニア手術は毎日毎日行われるの日常の一つになっていますが、手術を受けられる患者様はきっと緊張されることと思います。
コロナが一段落して学会が通常開催され、医療機器の展示もいつもの賑わいが戻ってきました。クリアな視界を確保するために何ができるだろうと様々な機器を見て回り、試行錯誤して、気腹・排煙装置を導入しました。『Crystal Vison 450D』と『AirSeal』です。想像以上に術野の視界をクリアに保ってくれるため、導入して本当に良かったと思っています。
そして、手術件数が3000件を超えたあたりから、そろそろいつカメラの不調が起きてもおかしくはないなと思うようになりました。一台目のカメラがもう7年になります。バックアップとして同じカメラがもう一台あるのですが、いずれにしても手術中に壊れて視界を失うようなことは絶対に避けたい、できれば何となく調子が悪いかなぁ、となる前に入れ替えたいと思っていました。いろいろと検討した末、今年4月に新たに『Stryker 1788』を導入いたしました。導入してから、4か月で180件の腹腔鏡手術を行い、画質の良さを実感しております。ベストな状態で手術に集中できる今の環境は、何より大切にしたいです。
次は麻酔器の更新を検討しております。実は、麻酔器も7年を過ぎたため、保守サービスの期限が近づいております。現在、発売されているモデルは、7年前に購入したモデルよりも高性能になっており、高性能の麻酔器は、安全で質の高い手術のために必要なデバイスだと思っております。麻酔器の検討の経過については、またブログでご報告させてください。
これからも少しでも良い手術を提供できるように日々精進してまいります。当院での手術を決めてくださった患者様とご家族の皆様、また、多くのご紹介をいただきました医療機関に心より御礼を申し上げます。これからもご期待にお応えすべく、ヘルニア手術の技術を磨いてまいります。どうか今後もご支援賜りますようお願い申し上げます。
この記事を書いたのは…
2002年山梨医科大学卒業。2008年長野市民病院でTEP法をみて衝撃を受ける。以来、鼠径ヘルニアの理想的な治療はTEP法だと確信して手技の研鑽を積む。2017年8月の開院から全ての手術を執刀。「初診から術後経過まで、執刀した外科医が責任を持って診るべし」が信条。好きな言葉は『創意工夫』