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そけいヘルニア(脱腸)の腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は内視鏡手術の一つで、炭酸ガスを注入して腹腔を膨らませ、おへそとおへそのまわりに二つ、3~15mmの穴を開けて、超小型カメラとマジックハンドのような鉗子を挿入して手術をします。日本では1990年代からそけいヘルニア手術にも腹腔鏡手術が普及しました。腹腔鏡手術だととても言いにくいので英語のlapaloscopyから「ラパロ」などと呼んだりしています。皮膚を切開するよりも腹腔からアプローチした方が脆弱になってしまっている筋膜を傷つけずに修復できるので、そけいヘルニアの治療法として優れています。もちろん傷が小さいですし、その分社会復帰も早いです。現在、そけいヘルニアの腹腔鏡手術には大きく分けて二つの術式があります。これまで主流であり近年急速に広まっているTAPP法、少数派ではあるものの腹腔内に入ることなく腹膜前腔で修復できるTEP法です。次回はこの二つの術式についてもう少しお話させていただきます。

この記事を書いたのは…

横浜青葉そけいヘルニア・外科クリニック | + posts

2002年山梨医科大学卒業。2008年長野市民病院でTEP法をみて衝撃を受ける。以来、鼠径ヘルニアの理想的な治療はTEP法だと確信して手技の研鑽を積む。2017年8月の開院から全ての手術を執刀。「初診から術後経過まで、執刀した外科医が責任を持って診るべし」が信条。好きな言葉は『創意工夫』

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