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300例の内訳

2017年8月開院以来14か月、9月27日にそけいヘルニア手術300例を達成しました。本日は300例の内訳をご報告させてください。

患者様の年齢は6歳から最高齢の方は93歳。平均年齢は54.5歳。

男性241名、8歳から89歳の方で平均56.5歳。

女性59名は6歳から93歳の方で平均46.4歳。

男性は40代~50代の方が中心で女性は30~40代の方が多かったです。近隣にお住まいの方が若い方が多いせいか、患者様も全体的に若い方が多いという印象です。

右側127例、左側127例、両側の方46例でした。一般的にやや右側が多いと言われておりますが、左右同数となりました。

 

術式の内訳は、TEP246例、TAPP法39例、LPEC法10例、前方アプローチが5例でした。8割以上がTEP法となりました。

これまでもTEP法で出来るものはTEP法でという方針でしたので想定していた通りの結果になりました。TEP法を選択しない場合が大きく分けて3つあります。①15㎝を超える大きなヘルニアをお持ちの場合、②非還納症例といわれる、引っ込まなくなったヘルニアの場合、③下腹部の手術歴がおありの場合は術式の選択を慎重に決める必要があります。

 

再発したヘルニアの方は8名。前回の手術から平均35.9年経過していました。全員他院で手術をした後、短い方で5年、長い方で64年経っていました。小児期に手術をしてから数十年を経て再発した方が多かったです。

また、以前に片方だけヘルニア手術をして治ったけれども反対側がヘルニアになってしまった方が20名いらっしゃいました。最短で半年、最長で62年経っていました。当院全体の300例の中でみると約7%の方がもう片方のヘルニアが出てしまった方でした。同時に両側のヘルニア手術をした方が15%いらしたことを考えると、結果的に全体の2割強の方は両側のヘルニアの手術をしたことになります。

 

また下腹部を手術したことがある方もいらっしゃいました。前立腺癌術後の方も6例ありました。半数の方は大きな病院から、癌の術後の経過観察の途中でのご紹介でした。3名の方はTAPP法、2名の方はTEP法、前方アプローチで手術した方1名でした。術式のご希望を伺い、相談の上、決めました。

帝王切開術後の方が6名、うち5名の方がTEP法、1名の方がTAPP法でした。また女性のヘルニアの中にはNuck管水腫の方も8名いらっしゃいました。7名の方がTEP法、1名の方がTAPP法で手術をしました。基本的にはTEP法で子宮円靭帯に付着する水腫を引き出して全切除を行い、病理検査に出しております。

 

通常のヘルニアに併発して、少し変わったヘルニアをお持ちの方もいらっしゃいました。臍ヘルニア併発が2名、スピーゲルヘルニア併発が2名、腹壁瘢痕ヘルニア併発が1名いらっしゃいました。いずれも、そけいヘルニアと同時に修復しております。

 

300件の手術を終えて、患者様の性別、年齢、おおよそ予想していた内容に近かったように思います。開院する時に、毎日ヘルニア手術だけをするようになると、どのような心境になるものなのだろうかと漠然と考えておりました。300件を終えましたが、これからも多くのヘルニア手術をしていきたいという思いをますます強くしています。300件と言っても1件として同じ手術はありません。手術が終わったその日のうちに、将棋の感想戦のように手術のビデオを見返して手術記録を書きます。この時間はさまざまなことをしっかり見つめる大切な時間になっています。痛み止めの使い方や術式の選択など、これからも患者様の負担の少ない、より良い手術になるよう検討を重ねて参ります。

脱腸・太ももの付け根のふくらみは、鼠径ヘルニアかもしれません。そけいヘルニアの日帰り手術なら、たまプラーザ駅徒歩3分、東名川崎ICより車で5分の『横浜青葉そけいヘルニア・外科クリニック』へご相談ください。

この記事を書いたのは…

横浜青葉そけいヘルニア・外科クリニック | + posts

2002年山梨医科大学卒業。2008年長野市民病院でTEP法をみて衝撃を受ける。以来、鼠径ヘルニアの理想的な治療はTEP法だと確信して手技の研鑽を積む。2017年8月の開院から全ての手術を執刀。「初診から術後経過まで、執刀した外科医が責任を持って診るべし」が信条。好きな言葉は『創意工夫』

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